2ntブログ
  • サバイバル隠れんぼ3(完)
    7  ミキとアリサが一階にたどり着くと、廊下を一瞥した様相がいささか様変わりしていた。  薄暗い中に二人のヘッドライトの光に浮かび上がった光景は。  幾つかの教室のスライドドアが解放されている。つまり自分たちが二階に上がった後にここで敵がいたことの状況証拠である。   「気をつけて! まだどこか近くに潜んでいるかも」    前に出たミキは両手でバットを構えながら、油断なくあたりに目を光らせている。  ...
  • サバイバル隠れんぼ2
    4  サダオは考えた。  敵の出方や動きによっても、とるべき戦術は違ってくることだろう。二人が別々に歩き回っているときが厄介で、そんなときにウロウロしていたら速攻で発見されてしまう。  むしろ敵の女二人が固まって動き回ってくれた方が好条件なわけで、こちらとしては接触も交戦もなるだけ避けたい。武器を持った二人というだけでも物騒だし、女相手に本気で暴力を振るうのも気が進まない。一端見つかれば振り切って逃...
  • サバイバル隠れんぼ1
    「サバイバル隠れんぼ」   1  夜明けまでの十時間、(廃校になった)学校の校舎の中で「鬼」から逃げ回ってください。その間に指定された場所のスイッチ三カ所を押してください(クリアの絶対最低条件です)。  いったん三カ所のスイッチを押した後はボーナスタイムに突入しますので、一定時間ごとに届く指示に従って指定されたスイッチをサイドに押すと、追加の賞金ボーナスが加算されます。また、通算四回目(つまりボーナス一...
  • 廃校スイッチゲーム7(完)
    13  どうやら一つ目のボタンが押されたらしかった。携帯へのメール着信でそれがわかるし、それが二階と三階のどちらかだということも察しがついた。  一階のスイッチ部屋の前で見張っていても、内部で異変があったとは思われなかった。  鬼は予想が外れて舌打ちする。あの女が校舎外でタイミングを図ってこの部屋のスイッチを最初に狙ってくるのだと思ったのは、最初に待たされた先入観のせいもあったのかもしれない。しかし実...
  • 廃校スイッチゲーム6
    10  選択肢の可能性は至極に単純な二つだった。一階のスイッチを最初に押しに来るか、それとも無視して二階三階に向かうか、である。  鬼の立場からすれば、L字型の校舎では一階スイッチ部屋のあたりからは反対側の(曲がった先の)廊下を見ることはできない。  だったら曲がり角で(L字型の)両方の廊下を同時に警戒すれば良さそうなものだけれども、一階スイッチ部屋のすぐ近くで張っていないと、ボタンだけ押して一端は...