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  • 無明のロシアンルーレット/サーシャ編3 ※旧作第一章完
    「無明のロシアンルーレット」   1  ゲームの内容を聞いたときには吐き気がした。  二人の子供を並べておいて、その子供たちに向かって、ロシアンルーレットの引き金を引くのだ。リボルバー拳銃に弾丸を一発だけ込めて、交互に引き金を引く古典的な決闘遊戯だけれども、自分の頭ではなく、お互いの助けたい子供に向かってというのが今回の独特なところだった。   「何も面白くないが、まあさっさと終わらせようや」    取...
  • ホテルで暴行無双(笑)/サーシャ編2(後)
    3  その後の十分もしないうちに、七階で鍵で封鎖されたドアの前で「あーだこーだ」と騒いでいる男たちに災厄が訪れた。  サクッと音がして、一人の首筋に出刃包丁が突き刺さった。深く、正確な投擲でもあった。他の無事な三人が呆気に取られている間にも、もがいて鮮血を撒き散らしながらぶっ倒れる。頸動脈が切れたっぽい。   「牛さんと豚さんに謝れっ。どうしてお前らなんだ、まずそうな面しやがって」    激しく毒づくの...
  • ホテルで暴行無双(笑)/サーシャ編2(前)
    1  廃業して間もないビジネスホテルの前に集結した四人の男たちは不穏なやる気をみなぎらせていた。見た感じからしてスキンヘッドやらタトゥーやら、ファッションと雰囲気からしてもワルだと一目でわかるし、犯罪と暴力の臭いがプンプン漂うようだった。そのうち一人だけは普通の背広姿だが(政治家の秘書であるらしい)、こんなときにこそは本質的な下郎外道スピリットが表情にありありと表れている。  あの運転手の進藤が愛想...
  • 三つの部屋と隠しもの(廃校編の後日談)/サーシャ編1
    「三つの部屋と隠しもの」   1 「もしも、よく考えた上でだけど、引き受けてくれるなら、今度は僕とタッグマッチかもしれないよ」    そんなふうにサーシャはマナミに告げた。  既にマナミは二度までのコロッセオのゲームをこなしている。一般には三ゲーム一セットとされることが多いのだそうだ。だから彼女からすればあと一回のゲーム勝負をこなせば、勝ってボーナス報酬を得ようが、負けて凌辱され(大ケガしたり殺されたりす...
  • 代理決闘の綾でした(廃校編の後日談)
    「代理決闘の綾でした」     1  リングに上がったアヤは憤怒に顔を夜叉のようにしていた。平素の可愛らしさは影を潜めて眼差しには迷いのない殺意がギラついているのだった。  対戦相手は二十くらいの青少年だったが、こんな場所にいることからしてろくな人間であるわけがなかった。どうせ大学のレイプサークルとか、そんな背景なのだろう。一昔前に「スーパーフリー」なんていう名門大学の、サークルを偽装した婦女暴行集団が...