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鬼畜暴力と狂った人間2/サキの暗黒(前) ※残酷、閲覧注意

(閲覧注意)悲惨で非常に残酷。
 
 
 サキは地元では名うての不良娘で、レディースのリーダー格で通っていた。振り込め詐欺や痴漢詐欺や恐喝に美人局だのもやったことがあるし、麻薬を売りつけたり、知人の女を騙して業者に売ったこともある。まだ二十過ぎの若い女であることからしたらたいそうなワルだったのだろう。
 けれども度胸試しなどと言って、こんなコロッセオの危ないゲームに手を出したのが運の尽きだったようである。
 寂れた学校の校舎でスイッチを三つ押して逃げるだけなんて簡単だ、それで賞金ゲットならラッキーだ。
 そんなふうに考えていたら、あっさりと捕まってしまった。
 それでもまだ、サキには最後の奥の手は残っていた。彼女は自分が美人なことを自覚しており、経験も多かったので手練手管にも長けているつもりだった。
 
「なあ、あんた」
 
 サキはニヤリと愛嬌満点に笑って自分でスカートをたくし上げた。まだ明るいからパンツが男に丸見えになる。
 色仕掛けで丸め込むか、隙があれば不意打ちで出し抜く作戦。
 
「こういうのが目的なんだろ? 興味あるだろ? ちょっとくらいだったら、もっとサービスしてもいいから私を助けてくれたら」
 
 鬼の返事は強烈な蹴り込み一発であった。胯間の恥骨を打ち砕くようなつま先がめり込んで、サキは悲鳴を上げてひっくり返る。
 転げ回らんばかりの頬と側頭部に回し蹴りが炸裂し、サキは一瞬意識が飛びそうになる。
 
「な、何するんだよ! 何でもするって言ってるのに、私と寝たいんだったら殴らなくても」
「殴っていない、蹴り飛ばしてるだけだよ。それとも殴られる方が好きなのか?」
 
 冷酷な物言いで、左手で髪の毛をつかんで顔面を痛烈に殴りつける。サキは「プシッ」と潰れたような声を出し、鼻血を流しながら抗議した。
 
「なんなんだよ! 痛いじゃないか、止めろよ! 顔殴って腫れた女より、きれいな顔の方がいいだろ?」
 
 半泣きの文句に鬼は酷薄な笑みを浮かべた。
 
「お前は見た目きれいだけど、それくらいの美人だったらいくらでもいるぞ? キャバクラでも風俗でも、枕営業三昧のバーコードがついたタレントやらアイドルだってな。お前みたいなのが俺にとってなんだって言うんだ? 自分が十把一絡げの牝ブタだってわからないくらいにアホなのか? 顔が良いだけで、お前はどんだけ自己評価が高いんだ? だいたい世の中が色気で何もかも片づくとでも思うのか? 股開けば何でも言いなりになるとでも? 女の一番むかつくところ、そういう甘ったれたとこなんだよなー」
 
 そして目の前に、サイダー瓶を転がす(校舎のどこかで拾ってきたのだろう)。
 
「とりあえず、それでもぶち込んで見せろ。何でもするんだろ?」
 
 サキは絶望的な眼差しで鬼を見返したが、鬼はやっぱり鬼のままだった。仕方がなくパンツを脱ぎ、屈辱に顔を歪めながらも恐怖が勝ったので、どうにかサイダー瓶を半分まで押し込む。
 そうしたらいきなり蹴り飛ばされて、股ぐらに裂けるような痛みが走った。目玉が飛び出しそうになって鋭い悲鳴に尻餅する。
 
「よし、今は見逃してやる。ゲームの続きに付き合ってやるが、次捕まえたら、こんなもんじゃ済まさないからな」
 
 どうやら一端は逃がしてくれるつもりではあるらしい。
 
「あんた、なんなんだよ?」
「これまで自分がやってきたこと考えてみろよ」
 
 その言葉で、何か被害者に関係があるのかもしれないと思った。それで許しを請おうとしたら、今度は鳩尾に拳骨だった。
 
「どれだけの人間から恨まれてるか、理解しろよ。ここには左翼の犯罪弁護士も、在日のヤクザやチンピラもいないんだぜ? ああ、言っとくけど、俺はこの後でしばらく外国に行くから、お前なんか殺しちまっても帰る頃には忘れられてるし、このゲームの中継は在日の権力者にも固定客の会員はいるからな。とっくに売られてるんだよ、お前の身体も命も全部。お前の被害者には、日本の一般人の他に政治家やら在日の身内もいたんだから」
 
 鬼は携帯通信機の時計表示を示して言った。
 
「これから二分だけ待ってやるから、逃げろよ。次捕まえたらなぶり殺しだけどな」
 
 泣きながらサイダー瓶を抜き取って、這いずるように逃走を開始する(パンツをはき直す余裕もないままに)。それが本当の地獄の始まりだった。

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