たとえば、こんな有名な実験がある。ジャンルとしては生物学と児童心理学だと思うが、心に残る示唆に富むものだ。
1ネズミの拘束
ネズミ(マウス)を手で拘束して握る。どんなに暴れても離さない。何度も繰り返し、「無力・無駄」「自力脱出・暴れるより忍耐・我慢しろ」と学習させる。すると、そのマウスを極浅い水に入れたとき(立ち上がれば水面に顔が出るのに)何もせずに溺れ死ぬ。
比較対象として「しばらく抵抗したら離してやった」マウスは、水に入れられても顔を出して助かったとか。
つまり「学習と刷り込み」というものがどれだけ恐ろしいか。最適化・合理的に行動しているつもりで自滅してしまうこともある。
たとえ経験と学習で「無駄・無力」と印象づけられ思っていたとしても、わざとその認識や固定観念を無視したり疑った方が「人間相応の賢さ」だと思う。「無力を学習した実験ネズミ」になったらダメだと。
2幼児とマシュマロ
小さな乳幼児にマシュマロ(お菓子)を差し出し、「(一定時間)待っていたらもう一つあげる」と条件・約束を提示する。
すぐ食べてしまった子供より、待った子供の方が思考力・先見性や忍耐力があって(知力や性格として)、将来的に成功する可能性が高い、とするもの。
ただし「目先の事柄・短気利益」もおろそかにするのは、賢いかどうか怪しい。待った・チャンスを見送ったことでかえって単純に損をするだけのことも多々あるだろうから。
こんなことを書くのは、自分が幼児のときにやらされたような記憶があるからだ。「決められた時間を何度も待てば、その分のお菓子をくれるの? だったら今日帰るときまで時間いっぱい放置していい?」、そんな質問をして試験官の大人を困らせたような?
腹の底で「この試験官、子供と思ってアホな条件出しただろ? ちょっと考えたらそれが一番得だろうに、同じことする子が続出したらどうすんの?(配るマシュマロの数が足りなくなるのでは?)」と不思議に思って意趣返しした? 相手が困っていたので、結局は二つ貰って帰ったような覚えが(一つはその場で食ってもう一つは土産にしたっけ?)。
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なんか心理学ネタだったので、もう一つ似たようなネタ。
よく「ロールモデル」なんて言い方があるが、手本や模範にする人物のこと。
どういうものに憧れ・模範にしているか?
自分の場合、できることならライプニッツみたいになりたかった。ドイツの哲学者で独特の観念論で知られ、微積分を発見した一人で(ニュートンと先行して発見した順位・手柄のとりあい)、雇い主の家系・郷土史も書いている万能型の天才(イタリアのダビンチやアルベルティみたいなもの)。ただし、当時はまだ近代的な科学や学問の草創期でジャンル細分化が進んでおらず、少し賢ければ各分野(発達段階が低かった)で功績や成果を出しやすかったのもあるだろうが。
あいにく私は時代状況もあるが、資質や能力もないし無気力で堕落。せいぜい「劣化したボッカチオ」くらいが現実的だろう。ボッカチオはアホな話(冗談やエロやオカルト)の「デカメロン」を書いた人で、多少は知識や教養もあったのか同時代のダンテ(政治抗争で亡命していた?)の「神曲」の注釈なんかも書いたらしい。万能の天才の画家ダビンチや建築家アルベルティに比べるとかなり無能(即物的な生産性という意味では)。
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