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  • 前編「機械の幽霊は麻薬畑で踊るか?」1
    1  黄昏れていく麻薬大農園の橙色の闇に、往古の鉄塔のような影が落ち伸びる。それは二本足で直立し、彷徨える巨人の亡霊のように歩行していた。 過去の戦争中の「亡霊」なのだった。  AIを搭載した、軍用の二足(または多足)歩行重機たち、ロボットウォーカー(RW)。 彼らは世界が滅んで戦争が終わっても、空っぽの操縦席を抱き、もうノイズしか聞こえない命令無線に耳を澄まして、彼らの止まった時間の中を歩き続けているの...